斎藤さんちのモクレンの樹は今も健在か |
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 フォロー中のブログ
最新のコメント
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2022年 06月 12日
もはや、この段階で、必要なのはドローンを使ったメッセージ付き花束でないか。 おい、senriyan、オマエ平和ボケして何言ってる。それどこの話しだ。 えっ、なんの話しですか。いや、親友の恋愛相談にのったまでですよ。そいつの告白したい女性が高層マンションの最上階に住んでいて、聞いた話しによると、その子、風呂上がりに、キャミソール姿、バルコニーでウメ酒を飲む習慣が、そこに、ドローンで花束を、そういう話しです。 昨日、DVDを借りて映画「M★A★S★H マッシュ」(1970年)を観る。言わずもがな、朝鮮戦争時の野戦病院の医師たちの話し。悪ノリ、悪ふざけの連発、ブラックユーモアで、軍隊というのを徹底して小馬鹿にした、ふてぶてしくもタフな作品。しかし、時はベトナム戦争の真っただ中、プロデューサー、監督を含め、どれほどの批判を覚悟したことだろう。だが、これが一発当たって大ヒット。しかも、アカデミー作品賞有力候補、脚本賞受賞。当時の世相、アメリカ国防省はどういう気持ちでことの事態を受け止めたのか。だが、いやいや、これは、目下の戦争ではありません、かっての朝鮮戦争下のお話しです。作り手のそうした、話しの論点、ずらし方、トボケ方が実に巧妙。これは、現在においても使えるのではないか。 ライ麦畑少年だった私は、中学生の頃、年上の知り合いから、庄司薫の作品を紹介されたが、当時はサリンジャーの亜流、いやまったく違うものに思えてピンとこなかった。まだ、若すぎたのだろう。だがだ、ここにきて、急に、なぜか、なぜなんだか、庄司薫作品を読み返してみたいというひっ迫した思いに駆れるようになった。そこで、まず、近所の書店をまわる。中公文庫から出ているらしいが、そのコーナーには本は見つからない。若い女店員さんに尋ねてみる。すいません、庄司薫の文庫を探しているのですが、はい、お調べします、庄司・・・、ナニさんですか、はあ、本屋の店員なのに庄司薫も知らんのかと、思ってはいけないことを思ったりする。次の本屋さん、今度は、やや年配の女店員さんに聞くことに、すいません、庄司薫の本ってどのあたりですか、ショウジ・カオル・・・。どうやら、その女店員さんもご存じないようだった。さらに、我が町の図書館にも在庫なし、それで、昨日、新宿の紀伊国屋まで行ってきた。ここなら、さすがにあるだろう。なんてたって、ここ新宿紀伊国屋と庄司薫作品とはとある繋がりがあるくらいだから。2020年度の中公文庫の目録には4作品記載されているが、なんと、ここでも在庫なし。取り寄せは可能だが「赤頭巾ちゃん気をつけて」の一作品のみということ。いや、なんか、日本人、完全に庄司薫のことを忘れようとしている。斎藤さんちのモクレンの樹は今も健在か。 だから、記憶で書いているのだけど、薫くんシリーズ第二弾、第三弾?「白鳥の歌なんか聞こえない」は、確か、ガールフレンドの由美ちゃんが、薫くんを斎藤さんちのモクレンを見に行こうと誘うところからはじまっていたと思う。私は、これを読んだ時、それは、斎藤さんちのモクレンの花の咲きっぷりが見事美しいのはもちろんだが、何より、由美ちゃんが、薫くんを誘いだす、乙女的口実であるように理解したのであったが、そのそれは今回、確かめようもなかった。 そして、この物語は、このような凡庸な恋愛小説のような形をとっているけれども、実に、生と死、そうした重いテーマに言及していたような気がする。中学生の私に分らなかったのも当然である。 薫くんの親友に小林というキャラクターが出てくる。小説のなかで、二人は、しばし、あらゆることを論議する。そのなかで、”現実の馬鹿ばかしさのまっただ中で犬死にしないための方法に”ついて考えるというくだりがあったということを、私はつい最近知った。 そして何より、モクレンの花、それを見る度に、思うにつれ、私は、この斎藤さんちのモクレンの花という言葉を連想してしまう。モクレンを見る度に、何年経っても、何処にいても。内容のすべては忘れてしまった。だが、優れた小説というのはこのように人の記憶に何かしらの杭を打つものなのだろう。 金曜の週末から、「M★A★S★H マッシュ」「キャッチ22」を観る。「キャッチ22」(1971年)はアート・ガーファンクルが出演していたことを久々に思い出す。さらに、「ウッドストック」(1969年)を観る。40万人の若者が結集する野外コンサート、これをはじめて知った頃、アメリカの若者の退廃ぶりに、市の教育委員会とともに目をそむけた幼少の私であったが、今、還暦がちかい私、もっと集まれ、もっと盛り上がれという、どこからともなくとうに忘れた熱き心が蘇ってくる。それで、締めに、「アメリカン・グラフティ」(1973年)を観る。ラストのザ・ビーチ・ボーイズの「All Summer Long」が流れるなか、結局、戦場に駆り出されるのは、将来有望な東部の大学に進学するエリートではなく、成績優秀でもなくスポーツでもパッとしないがどこか憎めないムード・メイカー的な人の好いお兄ちゃんということだと痛感する。 こんな休日の夜、ジャズ・バーでリクエストするのレコードは決まっている。スティーブ・マーカスのジャズ・ロック作品。 そのなかの”Count's Rock Band”これで決まりだ。この一曲目、”テレザのブルース”を大音量で聴く。(ジャズ喫茶に)これが、なかったら、テーブルごとひっくり返してもいい、名著「ジャズ・ロックのおかげです」で、故、中山康樹先生はウケ狙いでそんな乱暴なことを話していたけど、気持ちわからんではない。うん、そんな荒ぶれたお客様の魂を共に導き浄化させんが為、ジャズ喫茶、ジャズ・バーの店主様方にはこの一枚を常備されることをお勧めしたい。 スティーブ・マーカスこの人は、ぽっと出の新人ではない。バークレー音楽院出身、スタン・ケントン、ウディ・ハーマンなどのビック・バンドで研鑽を積んだ経歴を持つ。カーリー・ヘア、身長はそれほど高くない、そのことから、ネットで佐藤蛾次郎と書かれていたが、ウマい。 恐らくだ、ジャズ・ロックのその始まりは、血気盛んな若手のジャズ・ミュージシャンが、なんの気なしにビートルズの曲プレイしてみた、そんな感じではなかろうか。(6/13日追記 ジャズ・ロックの金字塔とされるマイルス・デイヴィスの”Jack Johson”は1970年発表、本作スティーブ・マーカスのデビュー作はなんとそれより二年ほど早かったのです!蛾次郎やりよるわ)まるで、クラウス・フォアマンとリンゴ・スターのような単調なゴツゴツしたベースとドラム、それに、ギンギンのラリー・コリエルのギターと、唯一知的なマイク・ノックのピアノ、で、コルトレーン、ファラオ・サンダースばりのフリーキーなサックスがところ狭しと暴れまくる様はまさに恍惚、エクスタシーの極北。カタルシス。 この人の出世作、一枚目の”Tomorrow Never Neows”は当時のジャズ評論家の方々にもウケがよく、硬派なジャズ喫茶でもしばし聴かれたという。今や、どうしてか人気がなく売れ残り列伝。日本人、いや、世界のジャズがスティーブ・マーカスのことを完全に忘れようとしている。私は980円で購入。右上にマーカスのサインらしきものあり。私的、お宝盤。 そんで、今回、紹介したいのがこれ。”The Lord's Prayer” これは、あまりお勧めはできないが。ハービー・ハンコック、ミロスラフ・ヴィトウスが参加しているが、軽いお付き合い程度。で、このレコード何が、凄いって、ドラッグとマリファナ、ラリパッパの世界そのものなのである。恐らく、この盤に制作意図のようなものがあったとしたら、そうした状態で、レコーディングしたら、どんなシロモノが出来上がるか、その興味本位だけで作られた作品のような気がする。ドラム・ソロと叫びだけの、ほとんど冗談のような曲がある一方、"T.With Stiring"映画タクシー・ドライバーのテーマ曲のような倦怠感を持ちながら信じられないくらい美しいナンバーがある。但し、2分06秒。これらの感覚、驚くほど、「M★A★S★H マッシュ」「キャッチ22」の感覚に近い。そう、鎮痛剤として、モルヒネ、ヘロイン、幻覚作用、いや、私、しんせい、わかば、ゴールデンバットしか知りません。そして、ピース、そう、Piece、ピース!! もはや、この段階で、必要なのはドローンを使ったメッセージ付き花束でないか。 で、あなたら、そのメッセージにどんなことを書きこみます、というのが今回、私が言いたかったこと。 おい、senriyan、オマエ平和ボケして何言ってる。それどこの話しだ。 うん、そろそろ、私、このあたりでドローンならぬ、ドロンさせていただきます。
by senriyan
| 2022-06-12 18:47
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||