ビ・バップとビル・ヘイリー |
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2019年 12月 08日
チャーリー・パーカーとビル・ヘイリーは似ているということを書こうと思うのだが、何言ってんだ、senriyan。なんで、ビバップの神様バードとロックンロールが似てなくちゃならねんだと。ジャズ喫茶の怖いマスターに舌打ちされ、なんで、オレらのビル様が古い4ビートに似てなけならんのだと。リーゼントのお兄いさんから睨まれるという。まったくもってして特になることは何もないという。 かたや、ビ・バップのイノベーター、かたや、ロックンロールのイノベーターであるが、そうしたことを言いたいのではない。 まず思うに、これらの音楽は暴力的である。私は、SPレコード鑑賞会でチャーリー・パーカーの当時の盤を聴いたことがあるのだが、それはなんともいえない迫力だった。何かタカが外れて狂ったような皮膚に突き刺さってくる感覚を感じた。寅さんが絶対使わない言葉、ヤバい。うん、ヤバい音楽。それまで、その時代のスイング・ジャズやダンスものやムード・ミュージックのSPの後に聴けば、もう間違いなく、その音場は別世界である。当時は、理解されない音楽。チャイニーズ・ミュージックと揶揄されたこともあった。 そして、時がたち、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ。現在、この音楽を暴力的だと言う人、思う人はそれほどいないだろう。だがだ、この当時のDECCAレーベルの7インチシングルをあえて聴いてみてほしい。できれば、モノラル針で聴いてみてほしいのだが、この際、細かいところはどうでもいい。アンプの音量はそのままに。 で、出た音、あまりのやかましさにおおっとなり、慌てて、ヴォリュームを下げる。音圧。そして、そのビル様の野太い声、ドスの利いた節回しに、圧倒的存在力に、ていたらくな休みの朝の腑抜けた音楽鑑賞モードが、一転して、おおっ怖っ!となることだろう。うん、これもまたヤバい音楽。 そんで、当時の日本のレコード宣伝部が、ビル・ヘンリー&ヒズ・コメッツから発する気から主題曲を担当する映画のタイトルを「暴力教室」とのタイトルをつけた。 音楽はいつの時代から、いつの頃より、教養としての、又は、リラクゼーションから、こうした暴力的衝動を内から外に向かって放ち匂わせていくようになったのだろう。 だが、その音楽の類似性。それは、音楽に対する雑食性にあると言ってよい。チャーリー・パーカーは実に多様な音楽観を持っていて、つねに勉強していたと聞く。そして、それらは自身の音楽の引用フレーズからも明らかである。ポピュラー曲、ラテン、スタンダード、クラシック、バルトークなどの現代音楽、はては、ポパイ、ウッドペッカーなどのアニメ音楽。 これはもち、ビル・ヘイリーの音楽にもある感覚。白人、黒人、ダンス・ミュージック、ルーツ・ミュージックあるゆる音楽を取り入れることの雑食性。無節操に。私が持っているこのシングルRIP IT UPのB面曲TEENAGERS' MOTHER(Are You Right?)誰もが知っているロシア民謡を引用。これからの時期にサイコー、噛みつくようなヴォーカル、つんのめるかのように疾走するベース、楽曲に絡みつくギター。いや、カッコいい。 そして、この雑食性とは、パーカーの相棒、ディジー・ガレスピーこそがまさしくその人だろうと。これは、あの王冠をかぶったTHE CHAMP DIZZY GILLESPIEのサヴォイのフランス盤、盤が分厚い、重い、それほどこのジャケットがいいとは思えないが、どうも、こういうのを見ると買ってしまうところがあるワタシ。そして、こういう音楽はまたフランス人好きそうだなあ。これなんか、いろんな楽曲のオンパレードだ。ビ・バップあり、流麗なバラードあり、ジャイブあり、シュビダバダなヴォーカル曲ありという。まさに、雑食。 この人はもともと、パーカーとともにビ・バップの創設者、その渦中のなかにいた人だけれでも、40年代の終わりにはもうビ・バップには飽きている。うんざりするほどパーカー・フレーズを聴いた人間。そんで、アフロ・キューバンをはじめ様々な音楽を取り入れていくこととなることになるんだけど。で、その辺の感覚はどうにも日本ではウケが悪い。それですごく安く買える。だから、雑食的に音楽を聴いている人、買っている人にはいいかも知れない。 例えば、LIMELIGHTからリリースされた”JAMBO CARIBE”はカリプソにも挑戦。だが、”FIESTA MO-JO”というナンバーが、嗚呼、素晴らしい。何気ないパターンの曲なんだけど、お洒落、高揚してくる。 音楽を色々なジャンルで雑食的に聴いてきた時代があった。だが、今は、ひとつのアーティストを絞って聴いたてみたい。というよりも、一枚のレコードをじっくり聴いてみたい。そういう年代になってきたのか。平日、帰宅時間は夜遅い。その後、じっくり聴くとはなかなかならない。だから、レコード聴くのは、土、日となる。だが、土曜は都内にレコード買い。買わずに聴け、そして、一人飲み。日曜は家の日用品の買い出しとなる。それほどレコードなんか聴く時間はない。ましてや、CDとアナログの違いなど。いくらCDの音が進歩していたとしても、そもそも、CD機器がない。 ディジー・ガレスピーがヒップだといっても、ジャズマニアから失笑されるだけだろう。もちろん、ジャズマニアに勧めるつもりもない。 だが、もしかしたら、雑食的にレコードを聴いているマニア。古いビル・ヘイリーの音楽なんかをこよなく愛する若者などは、ある日、ふと、耳にしたビ・バップやデイジー・ガレスピーの音楽に見事反応するかも知れないのだ。いや、この可能性は十分にある。 そして、ここに、ブルースの共通性を理解することにもなる。どちらの音楽も、又、根底にリズムとブルースを引きずっているのだ。 音楽も様々にジャンルはある。だが、面白いのはその根底に共通したものを持っということだ。リズムとブルース。結局、それをどう料理するかという。なんか、乱暴なことを一言いえば、音楽ジャンルとはその味付けの違いひとつではないかと。
by senriyan
| 2019-12-08 22:14
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