勝ってはいないが、負けてもいない ルーさん人生論 |
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2019年 09月 07日
年のせいか涙もろくなる。 ひとつは、映画”男はつらいよ”の最新作のタイトルが「お帰り寅さん」だったのを、ふと思い出した時、ああ、いいタイトルだなと。これを考えた人はなんて優しい人なんだろうなと思った瞬間、瞼の奥がかっと熱くなった。そして、涙がすっと流れた。止まらなかった。うん、帰宅時の駅のホームで。 もうひとつは、またも、映画の話しだが、”ブルーノート・レコード ジャズを超えて”という映画が9月6日から公開になる。 まだ観ていないので、何ともわからないが、映画のチラシにはこうある。 "マイルス・デイヴィスからノラ・ジョーンズまで、 80年にわたりジャズをリードしっづける 革命的レーベル「ブルーノート・レコード」。 その真実に迫る傑作ドキュメンタリー。" おおっ、ならば、これは、DVDでも出れば個人的にはウイリアム・クラクストンの”カメラが聴いたジャズ”などど並んで、あの頃のジャズ、きっとそのわたくしのバイブルとなるであろう。 で、この間、都内に社の研修があった帰り、そのチラシを手に入れて、何、ふむふむみたいな感じで電車で読んでいた時に、この文章に出くわしたのだった。 ”ルー・ドナルドソンが、しゃがれ声で言う。「バードみたいに吹けるか?と言われたんで、イエスと答えた。出来る訳ないのにな。ブルーノートから出したかったんだ。あはははははは」これだけで筆者は落涙。” この菊池成孔氏の後半部に書かれたコメントを読んで、こっちも、なぜか、涙ダム、決壊。(笑) まだ映画観てもないのに。チラシくしゃくしゃにして。 涙拭いながら、小声で、あーとか言っちゃって、めずらしくラッシュ時の湘南新宿ライン座れたんで。隣の席の多部未華子ちゃん似のOLさんがこのオジサン大丈夫みたいな。 バード。うん、まずは、超人的な肺活量そのパワー馬力がある。そして、脳内にあふれ出るフレーズ音階、を瞬時に音にする、正確な、もはや、機械的なメカニカルな技術がある。それは技術、ワザというより、昨今のITの冷めた感覚もあり、そして、悪乗りしていく狂気がある。人智を超えた得たいの知れぬ凄みがある。バード、あの毛むくじゃらの鳥の怪鳥の化け物。 バード、1920年8月28日、もしくは29生まれ ソニー・スティット、1924年2月2日生まれ に対し、 ルー・ドナルドソン、1926年11月1日生まれ ちなみに、 ジャッキー・マクリーン、1932年5月17日生まれ 渡辺貞夫さん、1933年2月1日生まれ となれば、ルーさん、6歳下というけれど、なんつうか、バードと同世代と認識されてしまうのである。 うん、ルーさん。やっぱりバードのそれに肉薄する部分も大いにある。とぼくは思うのだ。 だが、 これが、そのバードにみたい吹けるといった頃のルーさんのブルーノート初リーダー吹き込み。サブ・タイトルにNEW FACES -NEW SOUNDESとある。 そのバードに肉薄する部分は、「DOWNN HOME」で聴ける。 だが、ルーさんのアルトの音、フレーズには、どうしても、どうしてか、人柄が出てしまう。それが、やんわりと後からじわじわと効いてくる。冷めた、人を突き放した、そのクールな部分が希薄なのである。どうしてか、この人の音楽が連れてやってくるものは、単純明朗、分りやすさなのである。 この10インチの名曲として、”THINGS WE DID LAST SUMMER”というナンバーが収められているが、この曲が絶品なのである。 この曲を知っている人、この盤を持っている人は、夏の終わりに、この曲を聴かなければ、夏が終わらないというナンバーである。 このレコードに関しては以前書いたので、ここまでとするが・・・。 でだ。 この10インチを12インチ化するにあたって、アルフレッド・ライオンは、嗚呼・・・、なぜか、このナンバーをカットした。 うん、それもよくわかるような気がする。 どうもこのナンバー、センチなのだ。やんわりと後から効いてくる。後のビーチ・ボーイズのナンバーにつながるような。 それは、どうしても、この10インチのなかで浮いてしまっている。どうにも、それは第二のチャーリー・パーカー、バードらしくないからだ。 でも、それを一番分っていたのは誰あろう、ルーさん自身だったはずだ。 超人的な肺活量そのパワー馬力、機械的なメカニカルなテクニック、悪乗りしていく狂気。人智を超えた得たいの知れぬ凄みがある、バード、あの毛むくじゃらの鳥の怪鳥の化け物。 んなもん、オレの柄じゃない・・と、。 ルーさんのアルトのは、それに対する人柄がある。人柄がにじみ出る。 日本のジャズ・ファンが、米のジャズ・ミュージシャンを、さんづけでよぶ例。 例えば、馬さんことハンプトン・ホーズ。でもね、馬さんは日本に駐留していた兵隊さんだんだよね。 そして、もうひとつの例が、ルーさんことルー・ドナルドソン。 この二人だけ。やっぱ、ルーさんのアルトは日本人にとっても分かりやすい明朗さの人柄がにじみ出るのだろう。 ルーさん、バードに勝ったとはいえないが、ぼく的には負けたとも思っていない。圧倒的な相手に対し、こりゃ相手にならんわ、とただ尻込みするのではなく、人生、こういうことが必要なのではないかと思ったりする。オリンピックもあることだしね。 そう思ったら泣けてきたわけ。 あっ、多部ちゃん、振り返って降りて行かれた。ゴメン、こんな理由で。
by senriyan
| 2019-09-07 09:03
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